破産したらすべてを失うのか?

 借金問題で相談に来られた方から、ときどき、破産したら家財道具も全部持っていかれるんですか?そう質問されることがあります。

 いえいえ、そんなことはありませんよ!
 通常の家財道具は、差押え禁止動産にあたる可能性があるし、中古品として市場価値がゼロ、むしろ廃棄費用がかかる可能性があるものがほとんどです。なんで、高級輸入家具、有名作家の絵画、新品の大型テレビなどの明らかに値段が付くもの以外は、そのまま保有が認められることが多いのです。

 預貯金の合計額が20万円未満、車に関しても市場価値が20万円未満のもの、生命保険についても解約返戻金が合計で20万円未満なら、それぞれ、そのまま保有が認められます。

 仮に預貯金や生命保険が20万円を超過してしまう場合でも、裁判所に申立て(自由財産の範囲拡張の申立て)を行うことで保有が認められることがあります。

 ただ、いずれにしても、あらゆる資産を合計して99万円以下であることが条件になります。

 ところで、残念ながら、不動産の保有がそのまま認められることはまずありませんが、まれに、不動産を親族等に適正価額で買い取ってもらい、その親族から賃借するという裏技で、これまでどおり自宅不動産に住み続ける方もいます。
 
 ただこのような裏技は、破産管財人に否認(取消し)されるリスクがありますので、破産管財人が関与する方法で行うのが適切です。