兄弟は、他人の始まり!

 相続でもめるのは、なんといっても兄弟姉妹です。

 資産家の父親や母親が亡くなったものの、遺言書がなく故人の遺志が明確でない場合、兄弟姉妹が遺産の取り分を巡ってバトルを展開することは珍しくありません。

 「あいつは、私立大学へ行かせてもらったのに俺は行かせてもらえなかった。」、「あいつは、父親から土地をもらっている。」、「寝たきりになってから介護していたのは、自分だ。」、、、などなど。

 いざ遺産分割協議となると、そんな不平不満が噴出します。

 もちろん気持ちのよいことではありませんが、人間として不自然な感情ではないと、私はそう思います。

 兄弟姉妹のみで話合いをしていると、どうしても感情的になって協議が進まない、もめてしまうことが多いようです。

 こんな混沌とした状況においては、やはり、強力なリーダーシップをもって法的な観点から整理できる第三者的な人物が必要になります。

 もちろん弁護士が適任です。弁護士が介入することで、なんとか遺産分割協議が成立したということはよくあることです。

 しかし、遺産分割協議が難しいのは、法定相続人全員の同意がなければ成立しない点にあります。
 ひとりでも、いじけて同意しない人間がいると、遺産分割協議は成立しないのです。

 それゆえ、遺産分割協議が何年も成立しないということもさほど珍しくありません。私の経験では、10年経過しても成立していないケースがありました。

 遺産分割協議については、いつまでにしなければいけないという期限がありませんので、まさにエンドレスバトルになりかねないのです。

 どうしても協議が成立しなければ、家庭裁判所に対して、遺産分割調停を申し立てるのが通常です。