ローンが残っている車は、どうなるの?

 通常の自動車ローン契約では、ローンを完済するまで所有権をローン会社に留保するという特約が設定されています(所有権留保)。

 なので、基本的に、皆さんが借金整理に着手すると、ローン会社から自動車を引き揚げられてしまう可能性が出てきます。 

 ところで、借金の整理方法には、任意整理、個人再生、破産があります。

 任意整理の場合、自動車ローンを除いて整理することが可能です。そうすれば、ローン会社から自動車を引き揚げられてしまうことはまずありません。
 ただ、任意整理では、現状、元本の減額は困難ですので、他社の返済金額との関係で、自動車ローンを約定どおり支払っていけるのかという問題はあります。

 個人再生では、自動車ローンのみを除外することは原則的にできませんので、弁護士が受任通知を自動車ローン会社へ発送すると数日から10日程度で自動車が引き揚げられてしまうことが多いです。自動車は、日々、価値が減少していくものですし、事故のリスクもあるため、ローン会社の反応が迅速なのです。
 実は、個人再生では、例外的に自動車ローンを除外することも認められているのですが、条件がかなり厳しいので、期待しないほうが無難です。

 破産の場合も、個人再生と同じく自動車ローンを除外することは許されていませんので、ローンが残っている自動車の引き揚げを回避することは困難です。

 以上と異なり、ローンが残っていない自動車ですが、個人再生では、その自動車の査定額次第では返済総額に影響が出てくる可能性があるものの自動車をそのまま維持できます。
 破産の場合には、査定額が20万円未満であれば、基本的にはそのまま自動車の維持が認められるでしょう。

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