調停ってなに?

 調停というのは裁判ではありません。あくまで話合いを裁判所で行うということです。

 ですので、基本的に裁判所から何かを強制されることはありませんし、もちろん相手方からの強制もありません。

 裁判であれば、それは、基本、法的な主張による喧嘩ですから、自らの主張を通すことが主たる目的になります。最終的に妥協して和解することがあっても、それを目的として行うものではないのです。
 裁判所も、事実と証拠に基づき、法的な理屈に優る方を勝利させます。

 しかし、調停は、裁判ではなく話合いですから、最初から両当事者が譲り合うことが前提とされています。

 なので我々弁護士は、法的な理屈が通らない場面に出くわすと大きなストレスを感じてしまうこともあります。
 
 たとえば、離婚調停で、月に1回は父親との面会交流を認めると定めたにもかかわらず、まったく面会交流が実行されないケースが結構あります。父親側は、面会を求める調停を起こし、その中で約束を守るように主張します。

 しかし、時として、「相手が応じようとしないんだからしょうがないじゃないか!」などと、こちらが妥協するように説得を受けることもあるのです。
 妥協し合うことを前提とする調停では、どちらの主張が法的にまっとうかは置いといて、とにかく譲り合うことが求められてしまうことがあるのです。

 こんな場面で、裁判と調停の本質的な違いを思い知らされることがあるのです。
 

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